婚活を始めたばかりの頃、私はある不安に襲われていました。 「この活動は、いつまで続くんだろだろう? そして、一体いくらのお金と時間が消えていくんだ?」
週末のたびにジャケットを羽織り、慣れないホテルのラウンジへ向かう。夏場は汗をぬぐいながら、初対面のお相手と笑顔で向き合う。お見合いが終わり、一人で帰る電車の中で、お茶代だけが減っていくお財布を思い出し、深い溜息をつく。
帰宅した中野の1K。静まり返った部屋で、この「努力」がいつ実を結ぶのか、出口のない迷路に迷い込んだような焦燥感に苛まれていました。「なんとなく」で活動し続ける怖さを知った私は、自分の活動をすべて数値で見える化することにしました。
今回は、僕が実際に付けていた「活動記録シート」の中身と、そこから見えてきた現実的な費用の正体。そして、状況を客観的に把握することで手に入れた「心の安定」と「成婚へ近づくための判断基準」を公開します。
この記事を読み終える頃には、あなたの手元には「ただの記録」ではなく、婚活という長い道のりを迷わずに進むための「確かな地図」が手に入っているはずです。世の中には便利な家計簿アプリが溢れていますが、なぜあえて手間のかかる表計算ソフト(Excel)で管理したのか。それは、婚活を単なる「お金の出費」ではなく、「未来の幸せを掴むための大切な準備」として、徹底的に向き合いたかったからです。
婚活は「家計簿」以上に管理が必要な理由
「婚活にはお金がかかる」。
誰もが分かっていることですが、いざ数字として突きつけられると、その現実は想像以上にシビアです。僕が半年間の活動で費やした、「実際にお財布から消えていったお金」のリアルな内訳をご覧ください。
お見合いのお茶代:約87,100円 ホテルラウンジでの2名分、1回約3,000円。これが積み重なり、重い固定費となっていました。
交通費:約32,000円 都内や横浜への往復。週末だけの移動でも、積もり積もれば数泊の旅行に行ける金額です。
自分磨きの費用:約80,000円 美容(化粧品)に3万円、服(ユニクロ中心のジャケパン)に3〜5万円。
半年で20万円近い現金が、通帳から消えていました。ですが、本当に恐ろしいのはお金だけではありません。さらに見過ごせないのが「奪われている時間」です。
もし、自分の1時間を3,000円の価値があると考えた場合、どうなるでしょうか。1回のお見合いに、準備・移動・対面で合計5時間を費やすとすれば、実はお金に換算して1.5万円分の時間を「支払っている」ことになります。
お茶代と合わせれば、たった一人の女性と会うために、毎回約2万円分もの自分の人生を注ぎ込んでいる計算です。
これだけの重みを背負って活動しているのに、結果が出ないまま終わるのはあまりにも切ない。そう痛感した僕は、中野の1Kでパソコンを開き、すべての記録をつけ始めました。
迷いを消して自信に変える「自分だけの活動記録」
僕が記録していた項目は、単なる思い出作りではありません。お相手の年齢や住んでいる場所といった基本データはもちろん、特にこだわったのは「お申し込みから当日会うまでにかかった日数」です。
なぜ、この日数をわざわざ記録していたのか。それは、多くの出会いを経験する中で、「お互いのやり取りがスムーズなほど、その後の関係も良い方向へ進む」という確かな手応えがあったからです。
仕事の世界でも、連絡の速さが信頼に繋がるのと同じです。婚活も、お互いの気持ちが熱いうちに行動することが、成功への一番の近道になります。「いつ終わるかわからない」と一人でため息をつく前に、まずは自分の歩んできた道のりを、ノートや表に書き出して「見える形」にしてみてください。
この記録をつけることで、お断りされて落ち込むだけの「運任せの婚活」を卒業できます。「次は会話を工夫すべきか」「清潔感をもっと磨くべきか」という、自分を良くするための具体的なヒントが見えてくるからです。
感情に振り回されない、確信を持った一歩を、ここから踏み出していきましょう。
お返事の早さでわかる「お相手の心の温度」
僕が記録していたのは、お相手のプロフィールだけではありません。特に注目していたのは、「お見合いを申し込んでから、お返事が届くまでの早さ」です。
お見合いを申し込むと、お相手には10日間の考える時間が与えられます。僕は「何日目にOKが届いたか」をすべて記録し続け、ある一つの「大切な基準」に気づきました。 それが、「5日以内に返信が来るかどうか」です。
5日以内にお返事が来た場合:僕の経験上、このケースは当日お会いした後に「また会いましょう」という話(交際)に進む確率が、圧倒的に高かったです。お相手が僕のプロフィールに強い関心を持ってくれたのか、あるいは「まずは会ってみよう」という前向きな勢いがある状態。つまり、最初から「心の窓」が開いているサインだといえます。
6日以上経ってお返事が来た場合:お相手がギリギリまで悩んでいたり、他の方との兼ね合いを考えていたりした可能性が高いと考えられます。いわば、「少し慎重に見極められている」という状態です。
もちろん、最終的な結果は当日のお話し次第です。しかし、この「5日」という数字を意識しておくだけで、「この人は前向きに会おうとしてくれているんだ」と自信を持って挑んだり、逆に「少し慎重にお話ししよう」と心の準備ができたりします。
お相手の状況を察するモノサシを持つことで、暗闇の中を手探りで進むような不安を、少しでも減らすことができるのです。
Excelという「地図」が僕にくれた3つの救い
単に数字を記録するだけなら、それはただの事務作業です。しかし、出口の見えない婚活を続けていた僕にとって、Excelは「暗闇の中で自分を支えてくれる杖」のような存在になりました。具体的に、僕の何が変わったのかをお伝えします。
1.「自分はこれだけ頑張った」という証拠が残る
「お財布から消えたお金」や「費やした時間」を直視するのは、正直怖いです。しかし、それをあえて書き出すことで、「僕はこれだけ自分の人生に真剣に向き合ってきたんだ」という確かな足跡が目に見えるようになります。 「今日もダメだった」と落ち込む夜も、積み重なった記録を見れば「自分は逃げずに戦っている」と、自分を認めてあげることができました。
2.「お相手のせいにしない」冷静さが身につく
お断りが続くと、どうしても「いい人がいない」「運が悪い」と、自分以外のせいにしたくなります。しかし、お返事が届くまでの早さや、お会いした時の会話の内容を冷静に振り返ると、「自分に足りなかったもの」や「次に試すべき工夫」が不思議と浮かび上がってきます。感情的な怒りや悲しみに振り回されず、「次はこうしてみよう」という前向きな一歩に繋げられるようになりました。
3.「やめる」か「続ける」かを自分で決められるようになる
婚活で最も苦しいのは、いつ終わるか分からない不安です。 Excelで活動の推移を追っていると、「今のやり方で10人と会えば、1人と交際に進める」といった、自分なりの傾向が見えてきます。先が見えるからこそ、むやみに焦ることもなくなりましたし、逆に「今は少し休もう」という判断も、自分の意志で納得して下せるようになりました。
自分を責めすぎず、でも「負けた理由」からは逃げない
48回もお見合いをしていると、お断りが続くたびに心が削られ、「自分はもう誰にも必要とされないんじゃないか」と絶望しそうになります。そこで僕は、Excelを使って「悩んでいいこと」と「忘れていいこと」を、冷徹なまでに切り分けていました。
1.「外部要因」:制御不能なコストとして切り離す
「お相手が全く喋ってくれない」「写真と実物が別人だった」。 これらは自分の努力ではどうしようもない、いわば「避けられない事故」です。ここに悩むのは、終わった試合の審判に文句を言うようなもの。Excelの備考欄に「相手の事情」と一言書いて、その瞬間に忘れることにしました。 この「自分のせいにしない技術」が、婚活という過酷な戦場で心を折らないための、僕なりの防衛策でした。
2.「自責」:1%でも変えられるなら、徹底的にやる
本当に向き合うべきは、「自分の力で変えられること」だけです。 特に僕が執念を燃やしたのは、「写真と実物のギャップをゼロにする」ことでした。
お見合い写真は、いわば「最高の状態の自分」です。会った瞬間に「あれ、写真と違うな」とがっかりされたら、その時点で試合終了。その数ミリの落差を埋めるために、僕は泥臭い工夫を重ねました。
お見合い当日の午前中に眉毛サロンへ行く: 13時の待ち合わせなら、直前にプロに形を整えてもらい、「一番綺麗な状態」のまま現場へ向かいました。
肌の質感を整える: 夏場のテカリや不潔感は致命傷です。日焼け止めや美容液を使い込み、「写真はいいけど、実物はもっと清潔感があるな」と思ってもらえるよう、中野の1Kの洗面台で必死に肌の手入れをしました。
「そこまでやるのか?」と思われるかもしれません。でも、この「言い訳できないほど準備した」という事実が、お見合いの場での自信に繋がったんです。 具体的にお手入れを始めたことで、お相手からの反応が明らかに変わっていくのを、Excelの数字が証明してくれました。
高級焼肉を奢った直後に「お断り」が届いた、痛恨の失敗
すべてを数字で管理しようとしていた僕ですが、一度だけ、冷静さを失って大きな失敗をしたことがあります。
お見合いで「お肉が大好きなんです!」と笑顔で話してくれたお相手。僕は舞い上がり、最初のデートでいきなり、背伸びをした高級焼肉店を予約しました。当然、お会計は全額僕の支払いです。
「これだけ喜んでもらえれば、次は確実だろう」 そんな下心に近い安心感を抱きながら帰宅した直後、スマホに届いたのは「仮交際終了」の通知でした。
中野の1Kで、財布から消えた2万円と、目の前の静寂を交互に見つめながら、僕は自分の浅はかさを呪いました。 実はこれ、僕だけの話ではありません。婚活仲間の友人も、気合を入れて予約したフレンチの帰りに同じように断られ、駅のホームで膝から崩れ落ちたと言っていました。
この失敗から、僕は大切なことを学びました。 まだお互いのことをよく知らない段階で、高額な食事で気を引こうとするのは、ただの「逃げ」でしかないということです。
本当に必要なのは、金額で解決することではなく、落ち着いたカフェやランチで、相手の価値観をじっくり聞くこと。 Excelに「2万円の損失」と打ち込みながら、「信頼は、お金ではなく、相手への深い理解でしか築けない」という当たり前の、でも痛烈な教訓を刻み込みました。
「たった一人の自分」として向き合うための、僕なりの誠実
最後に、限られた時間と気力をどう使うかというお話をします。
150戦もしていると、どうしても「作業」になりがちです。でも、お相手にとっては、その1時間が僕との「初めての出会い」です。その重みを忘れないために、僕は「自分の状態をリセットする」ことに命を懸けていました。
オンラインを活用し、常に「最高の自分」で画面の前に立つ
1日に3件もお見合いが入ると、夕方には顔に疲れが出て、清潔感も失われていきます。 そこで僕は、あえて夕方の回を「オンライン」に切り替えていました。一度帰宅してシャワーを浴び、心身ともにリフレッシュした状態で画面の前に立つ。 移動費を浮かすためではなく、3人目のお相手に対しても、1人目と同じ熱量と清潔感で向き合うための選択です。 疲れ切った顔で会うことこそ、お相手に対する一番の失礼だと考えていたからです。
「前の男」を消し去る、駅のトイレでの着替え
さらに徹底していたのは、午前にお見合い(スーツ)、午後に別の女性とデート(私服)がある日の「切り替え」です。
スーツのままデートに行けば、お相手に「あ、さっきまで別の人とお見合いしてたんだな」と気づかれてしまいます。それは、せっかくのデートに「他の女性の影」を持ち込む、最悪の「興ざめ」です。
僕は、お見合いが終わるたびに駅の多目的トイレへ駆け込み、汗を拭き、下着からすべて着替えていました。 狭い個室で必死に着替えている姿は、客観的に見れば滑稽かもしれません。でも、「目の前の女性にとって、自分は今この瞬間のためだけに、最高の準備をしてきた男でありたい」。その一心を貫きたかったんです。
婚活を単なる「効率」だけで語りたくはありません。 手間をかけ、無駄を削ぎ落とし、万全の状態で目の前の女性に向き合う。この「小さな誠実さ」の積み重ねこそが、数字には表れない「選ばれる理由」に繋がると信じていました。
よくある質問(FAQ)
- Excelでの記録は、手間になりませんか?
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最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば1日5分もかかりません。 それよりも、「何が悪いのかわからず、ただ時間とお金が消えていく不安」の方が、僕にとってはよほど苦痛でした。 5分でその不安が消え、「次はここを直そう」と前向きになれるなら、これほど費用対効果の高い習慣はありません。
- 無料の記録シートはありますか?
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はい、現在僕が使っていたものをベースに準備を進めています。 公開後はこの記事でお知らせします。費用やお見合いの結果を書き込むだけで、今の自分の状況がパッと見てわかるような、シンプルなものにする予定です。
- スマホのメモアプリではダメですか?
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もちろん、外出先でのメモにはスマホが便利です。 ただ、「半年でいくら使ったか」「最近お断りが増えていないか」といった推移をパッと振り返るには、やはり表形式での管理が一番です。 週末に一度パソコンを開き、自分の活動を大きな画面で見つめ直す時間は、心を落ち着かせる良い儀式にもなります。
- 記録をつけることで、余計に落ち込みませんか?
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実は逆です。数字で見える形にすると、「自分はこんなにダメなんだ」という感情的な落ち込みが、「ここを変えればいいんだ」という冷静な改善点に変わります。 記録は自分を責めるためのものではなく、自分を「迷い」から救い出すための道具です。
- いつまでこの記録を続ければいいですか?
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成婚して、このシートを閉じるその日までです。
150回のアプリ活動を経て、僕が最後に感じたのは「記録が溜まるほど、理想のお相手との出会いが近づいている」という手応えでした。このシートが真っ黒になる頃には、あなたは自分を客観的に見つめられる、最高に洗練された状態になっているはずです。
まとめ:孤独な戦いを終わらせるために
僕がExcelで記録を付け続けたのは、単に家計を節約したかったからではありません。 「今月も成果が出なかった」と、中野の1Kでため息をつく夜を、一日でも早く終わらせたかった。自分の今の立ち位置を正しく知り、迷うことなく、大切な人と出会えるゴールまで最短距離で走り抜けたかったからです。
自分の活動を数字で見つめる習慣がつくと、「次はここを工夫してみよう」と前向きな気持ちが芽生えてきます。婚活の苦しさは、出口が見えない不安から生まれます。でも、記録という「地図」があれば、それは「ただ耐え忍ぶだけの苦行」から「自分の力で道を切り拓く挑戦」へと変わります。
もし、あなたが「自分一人で振り返り、コツコツと改善し続けられる」という強い意志を持っているなら、この記録術だけでも、きっと良いお相手に出会えるはずです。
ただ、もしあなたが、 「一人でパソコンに向かって分析し続けるのは、もう限界だ」 「自分のやり方が本当に正しいのか、プロの意見を直接聞きたい」 そう感じるなら、僕が150戦の果てに「ここは信頼できる」と確信した場所を、一つの選択肢として知っておいてほしいのです。
一人で抱え込んで、時間を無駄にしてしまうのが一番もったいない。 僕がなぜ、あえて「プロに頼る」という道を選んだのか。 その理由と僕の気づきを、こちらに詳しくまとめました。



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